精神薬理学

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精神薬理学とは、主に狭義の向精神薬と定義されるものについて扱うが、麻薬と定義されるものも対象となる場合が多い。

まず知っておいて欲しいことは、精神疾患に病態生理が完全に解明されているものはない。
すなわち、病態生理は仮説として扱われる。 これらの仮説は薬によって考えられたもので、同一疾患に複数の仮説があることが多い。

この科目では、メジャーな仮説からマイナーな仮説まで学習する。
また、実際の臨床の場面での治療戦略も交えて学習できる。

統合失調症(旧: 精神分裂症)[編集]

代表的な精神疾患である。
大まかに陽性症状(興奮、妄想、幻聴など)と陰性症状(抑うつ、無関心など)に症状を分類できる。

グルタミン酸仮説[編集]

PCPケタミンなどの解離性麻薬によって統合失調症様症状を人為的に引き起こすことが可能であると知られていた。
事実、健常者に少量のケタミンを投与すると、統合失調症様の陰性症状や認知障害が現れることが報告されている。 これらの解離性麻薬はNMDA型グルタミン酸受容体を遮断しグルタミン酸伝達を阻害する。

グルタミン酸伝達の低下により、

  • ドパミン伝達の亢進による陽性症状
  • セロトニン5-HT2A受容体作動のセロトニン伝達の亢進による陰性症状

などが統合失調症に関与している可能性があるということが示唆されている。

ドパミン仮説[編集]

2010年現在、一番有力な説であり、臨床における治療戦略もこのドパミン仮説に基づいたものが大多数である。

セロトニン仮説[編集]