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VTuberに関する資料探索

提供: ウィキバーシティ
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本稿では、VTuberに関する資料探索の手法提示、文献目録の整理、パスファインダーの作成を試みる。

本稿におけるVTuberの定義

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VTuberについては、その名称も含め確立した定義がなく、W:バーチャルYouTuberにおいても、VTuberとバーチャルYouTuberは表記揺れとする説、それぞれ別個の存在と捉える説が併記されている。本稿では、便宜上両者は表記揺れであるという立場を採る。これは、資料探索において両者を区別することが困難であることに起因する。たとえば、W:キズナアイについて考えてみよう。

『現代用語の基礎知識2026』の巻末辞典ではVTuberの解説としてキズナアイを例示し、また、2018年に三才ブックスから刊行された『バーチャルYouTuber名鑑2018』ではキズナアイをバーチャルYouTuberと紹介する一方で同書中にはバーチャルYouTuberをVTuberと表記することがある旨の注記も確認できる。

さらに、本稿の執筆にあたっては、W:大宅壮一文庫が提供するWeb OYA-bunkoも利用したが、同サービスの「ことがら検索」のキーワードに「バーチャルYouTuber」と「Vチューバ―」があるものの両者を区別するような意図は感じられない。たとえば、『ROCKIN'ON JAPAN』2019年9月号掲載のキズナアイのインタビュー記事には、「インターネット」、「バーチャルアイドル」、「バーチャルタレント」、「バーチャルYouTuber」、「Vチューバ―」と5つのキーワードが振られている。

以上のキズナアイの例のみでも、資料探索においてVTuberとバーチャルYouTuberを区別することの困難さがわかるのではないだろうか。VTuberとバーチャルYouTuberの定義を論じるのであれば区別を試みるべきかもしれないが、本稿の目的は、その前段階ともいえる資料探索の手法を提示することにあるため、探索の射程を広く保つためにも両者の区別には踏み入らないこととした。

検索キーワード・表記揺れの考慮

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大宅壮一文庫のWeb OYA-bunkoでは、『ユリイカ』2018年7月号の特集記事以降、検索用キーワードとして「バーチャルYouTuber」「Vチューバ―」が振られていることが確認できる。他方、国会図書館サーチ(NDLサーチ)、出版書誌データベース(Books)には、VTuberに特化した検索用キーワード・統一語彙はないため、目次・見出し・著者略歴といった書誌情報に含まれる文言をフリーワード検索で抽出していくことになる。

フリーワード検索では、表記揺れによって検索結果が異なるため、「VTuber」「Vチューバ―」「バーチャルYouTuber」「バーチャルユーチューバー」とOR検索することが望ましい。また、W:伊達杏子などYouTube普及以前の類似事例に関する資料も探索対象とする場合には、「バーチャルアイドル」などとキーワードを追加していくことが有効である。

特定のVTuberの資料探索にあたっても、他分野の人名・作品名と同様に、目次・見出しレベルでは、略称表記、常用外漢字・特殊文字の代替化が行われていることが珍しくないため、表記揺れ・パターンを考慮する必要がある。たとえば、W:甲賀流忍者!ぽんぽこは、書誌情報上はエクスクラメーションマークのない「甲賀流忍者ぽんぽこ」や「ぽんぽこ」とのみ表記されていることがあり、キーワード選択によって検索結果も異なる。名鑑類やSNSなども事前に確認し、表記パターンを把握していくことが有効である。

VTuberに関する書籍

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VTuberについて専門に扱った書籍は複数刊行されている。書評の有無、VTuber関連論文の引用文献リストなどから入門書・概説書との評価を受けているであろうものを下表にまとめる。

今後の類書探索手法の検討のため、NDLサーチ上のNDC区分、件名標目も付したが、一般にはVTuberに分類されないであろう動画配信者のファンブックなどにも同一のNDC区分・件名標目が振られている。なお、近接領域ともいえるメタバース関連は異なるNDC区分・件名標目が振られている。

タイトル 出版年 出版社 ISBN 著者表記 NDC 件名標目
バーチャルYouTuberはじめてみる 2018 河出書房新社 ISBN 978-4-309-28673-0 編集:スタジオ・ハードデラックス 007.353 動画共有サイト
VTuberの哲学 2024 春秋社 ISBN 978-4-393-33405-8 著:山野弘樹 007.353 動画共有サイト
VTuber学 2024 岩波書店 ISBN 978-4-00-061653-9 編著:岡本健, 山野弘樹, 吉川慧 007.353 動画共有サイト
メタバース進化論 : 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界 2022 技術評論社 ISBN 978-4-297-12755-8 著:バーチャル美少女ねむ 007.1 仮想現実
VTuberの教科書 2025 インプレス ISBN 978-429-520732-0 著:河崎 翆 007.353 動画共有サイト

VTuber分野においては、題名にVTuberと書かれていない書籍であっても、解説が掲載されていることが多い。特に映像編集やLive2D、3Dモデルメイキング(BlenderやMaya)、YouTubeでの活動に関するハウトゥー本が、その例だろう。「YouTubeライブ配信大全」(2023、技術評論社、著者:リンクアップ、ISBN 978-4297135553)は、第8章でVTuberの一連の製作工程例が解説されており、概説書としても有用である。

また、「バーチャルYouTuberはじめてみる」の後半部(p96~)のように、VTuberを専門的に扱うハウトゥー本も複数刊行されているが、2026年現在の事情に通用し、概説的な側面を持つ本は少ない。Live2DなどCGの製作において専門的に解説した図書を下表にまとめる。

タイトル 出版年 出版社 ISBN 著者表記 NDC 件名標目
完全セルフVTuberが教える! 一瞬で“かわいい”が作れるイラスト術 2024 KADOKAWA ISBN 978-404-606880-4 著:甘狼このみ 726.507 イラストレーション 技法, コンピュータ・グラフィックス
VTuberキャラクターデザイン&Live2D超入門 2025 KADOKAWA ISBN 978-404-607302-0 著:中里 智明 778.77 アニメーション, コンピュータ グラフィックス

VTuber分野においてはエッセイ本が2026年現在で増加傾向にあり、舞台裏やオーラルストーリーを知る上での重要なカギになっている。剣持刀也「虚空教典」(2023、KADOKAWA、ISBN 978-4-04-680921-6)のように自身のVTuber観について書かれている(p31-48)場合は、いちVTuberの考え方として有効的に活用できるだろう。野口圭登「Team Brave勇気の経営 : 時代をつくる、事業家集団へ」(2025、ダイヤモンド社、ISBN 978-4-478-11949-5)のように運営者が裏側を自伝として書くこともある。

VTuberに関する名鑑類

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2026年8月時点でVTuberの掲載が確認できた名鑑類の書誌情報は下表のとおりである。『スター名鑑動画クリエイターズ2023』は、動画配信者の名鑑だが、W:いれいすのようなVTuberモデル・アバターを使用する動画配信者も掲載されている。なお、#VTuberに関するメディアに記載の雑誌においてはVTuber本人または運営が記載を希望して掲載された、VTuberの紹介ページが掲載されていることがあるため、併せて参照されたい。

タイトル 出版年 出版社 ISBN 備考
バーチャルYouTuber名鑑2018 2018 三才ブックス ISBN 978-4-86673-055-4 プロフィール情報のほか編集部調査による2018年5月末時点のYouTube動画チャンネルの登録者数情報有り。キズナアイ、 バーチャルYouTuber四天王の個別解説有り。
スター名鑑動画クリエイターズ2023 2023 東京ニュース通信社 ISBN 978-4-86701-609-1 プロフィール情報のみ。

このほか参考程度となるが、ウェブサイトにおいては、ユーザーローカルが更新している「VTuberランキング」およびオモシロが運営するウェブメディア「yutura」のVTuberタグでの検索結果などが有用的と考えられる。

VTuberに関するメディア

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2026年8月時点で継続刊行が確認できた専門誌は『W:VTuberスタイル』のみだった。2020年頃までは『W:Vティーク』といった競合誌の刊行も確認できる。Web OYA-bunkoでの検索結果では、同時期から総合カルチャー誌やエンターテインメント誌でのVTuberの特集記事が増加しているため、誌面におけるVTuberの位置づけや雑誌間の役割分担構造が変化した可能性がある。

前述の『ROCKIN'ON JAPAN』2019年9月号におけるキズナアイ、『CDジャーナル』2025年11月号にインタビューが掲載された獅子神レオナ、花鋏キョウ、稀羽すうのように音楽活動を行っているVTuberでは音楽雑誌での記事掲載が確認できる。

下表は、専門誌及びVTuberに関する特集が複数回行われていることが確認できた定期刊行物である。

タイトル 出版社 備考
VTuberスタイル アプリスタイル 2026年8月時点で刊行継続。
Vティーク KADOKAWA コンプティークの増刊扱い。2020年のVol.5以降の刊行なし。
VTuber mode シムサム・メディア COSPLAY MODEの増刊扱い。2023年のVol.4以降の刊行なし。
日経エンタテインメント 日経BP 2021年以降、トレンド記事・ランキング記事が不定期に掲載されている。直近では2026年2月号の「2026年エンタメ業界の新主役100人」でVTuber編が確認できる。
anan マガジンハウス ananトレンド大賞2023以降の大賞特集号でVTuber編が確認できる。
フィルカル ミュー 哲学専門誌。vol.7 No.2以降、VTuberの哲学に関する論文が確認できる。

文芸誌『ユリイカ』2018年7月号「特集=バーチャルYouTuber」(ISBN 978-4-7917-0351-7)は、2026年においても用いられる文献のひとつである。本誌に掲載されたキズナアイ「インタビュー シンギュラリティと絆と愛 : 人間とバーチャルYouTuberが出会うとき」、難波優輝「バーチャルYouTuberの3つの身体 パーソン、ペルソナ、キャラクタ」など収録された文献が引用される機会は多い。

『ダヴィンチ』2023年3月号は、VTuberの特集をしており、参加ライターは全員がVTuberに専門性をもっていることや多数の関係者などにインタビューを実施していることで資料性が高い。『イラストノート』2020 No.52はキズナアイのデザイナーの森倉円に対する特集ではあるものの、いかにキズナアイのデザインを製作したかを通して、バーチャルYouTuberの誕生に対する思想を知ることができる。

『SFマガジン』2020年8月号では、届木ウカが「異常進化するバーチャルアイドル -VRとVTuber の新たな可能性 -」と題したエッセイを寄稿しており、公式サイトで内容を公開している。

逐次的な個人または任意団体らによる出版物を中心に論文誌を示す。2020年代のZINEブームの影響からか、2020年以降ZINEが増加した。

タイトル 年 出版者 備考
女装と思想 vol.8 2019 あしやまひろこ 女装にまつわる考え方などをテーマにしたシリーズ誌。本号ではバ美肉について特集が組まれ、多数VTuberに関連した内容が掲載された。
仮想百景 2020 佐藤ホームズ VTuber自身によるコラムやエッセイ、ライターによる論考などが掲載されている。
青春ヘラver.7 VTuber新時代」 2023 大阪大学感傷マゾ研究会 専門家に対するインタビューやライターによる論説が多数掲載されている。noteに内容紹介記事有。
VTuber歴史編纂誌『風とバーチャル』 2023 風とバーチャル編集部 VTuberの歴史についてを中心に取り扱ったシリーズ。第一集、第二集、第三集は前半に論説やインタビュー、エッセイなどが掲載し、後半に年表の記載有。これらの年表は年表集にまとめられて掲載されている。特別編の第1.5集はエッセイのみ掲載されている。
早稲田V学 2024 早稲田大学VTuber研究会 VTuber研究雑誌。2025年末までに4巻まで刊行。VTuberを中心にした論文を中心に、エッセイなども掲載。巻末に掲載基準が確認できる。
Hukyu01 2025 GAMABOOKS VTuberにおける民俗学をテーマに26名のVTuberよびVTuber関係者のインタビューが掲載されている。
ヱクリヲ - ヱクリヲ編集部 vol.10に美学者の難波優輝による論考、vol.12に田中大裕によるアニメーションから見たVTuberの論考が掲載されている。特に後者はアニメーションとの比較する際に論文によく用いられる。

VTuberの声を用いて合成音声を製作する試みが2020年代に増えて以降で、『ボーカロイド音楽の世界2019』『ボーカロイド文化の現在地』など合成音声を主題にする文献において、VTuberに言及されるケースが存在する。そのほか、太田充胤「踊るのは新しい体: 複製可能な者たちのための身体論」(2025、フィルムアート社、ISBN 978-4-8459-2417-2)、『ポストメディア・セオリーズ』(2021)収録:北村匡平「デジタルメディア時代の有名性──〈アニメーション〉としてのバーチャルYouTuber」 、中山淳雄「クリエイターワンダーランド」(2024、ISBN 978-429-600184-2)、などが役立つだろう。

報道

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新聞

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新聞においては、日本では全国紙五大紙すべてで取り扱われたことがあり、それぞれVTuberそのものについて、推し活、ビジネス、アバターなどの分野別からVTuberについて報道・解説することがある。全国紙はそれぞれ新聞データベースを構築しており、国立国会図書館をはじめ、各図書館で資料に簡単にかつ、大量に文献にアクセスできることがメリットになるだろう。ただし専門性の高い内容にアクセスできることは少ないため、初学者の場合は引用する内容については注意されたい。日本経済新聞は、ビジネス的にVTuberを解説した記事や決算について取り上げた内容も多く、ウェブサイトでは財務情報なども公開している。地方紙において、中京新聞は2019年当時に特集を多数行っており、当時の情報を知ることができる。また、東京新聞はこれらの記事を再編して紙面に掲載している場合がある。このほか地方紙・地方版は各地のご当地VTuberや地元のVTuberについて取り上げた記事を掲載することがある。

ウェブメディア

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ウェブメディアにおいては、ニュース、VTuber本人や運営関係者などに対するインタビュー、VTuberについて解説したコラム、イベントレポートなどが数多く掲載されている。インタビューやイベントレポートは、オーラルストーリーやVTuberの運営の背景を調べるうえでの貴重な資料となりえる。コラムにおいても、VTuberを専門的に取り扱うライターが確立しており、参考にすることができるだろう。

2016年から2019年ごろにかけたVRへの注目、またその後のメタバースブームの起点もあり、それらを主軸に報道してきたPANORA、MoguLive、また技術的なカルチャーとしてRealSoundテックの定量的な報道が黎明期から目立っている。エンターテインメント分野について定量的に報道するメディアも多数報道を重ねており、KAI-YOU、インサイド、4gamer、ファミ通.com、@DIMEなどは取り上げる回数が中でも多い。このほかにも音楽やビジネスなど特定の話題に応じて報道するメディアが数多く存在する。

なお、主力でもあるKAI-YOUは、通常はフリーライターまたは編集部に所属する編者が記事投稿を行っているものの、ごく一部にユーザー投稿記事があり、参照の際には混同しないように配慮しなくてはならない(記事内に「ユーザー記事」である記載あり)。また、一定期間が経過した記事については有料化し、閲覧にあたっては会員登録が必要となる。姉妹メディアのKAI-YOU Premiereは、元々有料会員向けに執筆されたコラムやインタビュー記事と、左記のような元々KAI-YOUで公開されていた記事の再投稿が掲載されるウェブメディアである。

ブログ記事やSNSの投稿

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ブログやSNSは、媒体として参照する上では嫌厭されることがあるが、VTuber分野にとっては動画や配信という流動性のあるメディアとは異なって、検索性も高く、過去の発言や思想を探すうえで役立つメディアである。特に各VTuber本人のSNSの投稿は、活動後に削除されることが多いものの、活動中であれば日付指定やワード指定を用いれば資料検索は容易と考える。場合によって、資料の事実関係を調べるうえで、日本のVTuberは特にX(Twitter)の投稿を確認は有用的といえる。「#VTuber学会」というハッシュタグが2018年ごろに使用され、VTuberの議論が行われていた。また、日本国外では中国語圏ではWeiboやbilibili、英語圏ではRedditがSNSとしてよく用いられる。

また、ブログ記事においては、2017年末から2019年ごろの情報を整理する上などでは必ず調査しなくてはならない存在である。『ユリイカ』にも寄稿をした、木村すらいむによる「文脈をつなぐ」、KAI-YOUやMoguLiveにも寄稿経験のある、すらによる「はてなブログ」の投稿、漫画研究家でありVTuberにも詳しい泉信行による「はてなブログ」の解説など、独自の視点や他にはないデータの提示といった記録的に貴重な言及や研究は数多い。noteの投稿も多く存在する。

VTuberに関する用語集

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2026年8月時点でVTuberに関する用語集の掲載が確認できた文献の書誌情報は下表のとおりである。「○○勢」などの定義や解説内容に若干の幅がある。

タイトル 出版年 出版社 ISBN 備考
Hukyu01 2025 GAMABOOKS ISBN 978-4-9914263-0-8 270頁から277頁に「VTuber俗語集」として40語の解説有り。冒頭に解説文は諸星めぐるによるものと記述有り。
風とバーチャル Vtuber年表+用語集 2025 風とバーチャル編集部 ISBN 978-4-9913637-3-3 635頁から642頁に「用語解説集」として約200語の解説有り。冒頭に用語選定基準について記述有り。

VTuberの調べ方

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VTuberという概念自体が新しく、その評論や研究も多方面から行われるなど学際的な一面もある。VTuberの概念そのもの、VTuberが進出している分野、他の表現形態との比較など、どの観点から調査を行うのかによって、資料探索のアプローチも異なってくる。

特定のVTuberに関する資料探索

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名鑑類やVTuberに特化したデータベース、調査対象とするVTuberの名称による検索を通じて、どのような媒体で取り上げられているか、表記パターンを把握した上で、組み合わせ検索を繰り返していく。

一例として、『バーチャルYouTuber名鑑2018』を起点として、同書に掲載されている「甲賀流忍者!ぽんぽこ」を調査対象とする。調査時点は2026年8月30日である。

まず、『バーチャルYouTuber名鑑2018』の掲載ページ(P.82)の時点で、YouTubeのCh名称が「甲賀流忍者!ぽんぽこ」、VTuberの名称が「甲賀流忍者ぽんぽこ」、さらに、自己紹介文から自称として「ぽんぽこ」が使用されていることがわかる。資料探索上は、この使い分けが正確であるかではなく、あくまでも表記パターンと捉える。

NDLサーチでは、検索文字列中のエクスクラメーションが無視されるため、「甲賀流忍者!ぽんぽこ」と「甲賀流忍者ぽんぽこ」では、検索結果は変わらない。いずれの場合も次の書籍がヒットする。

  • 『ぽこピーの本』
  • 『POKOPEA』
  • 『早稲田文学 第十次』26号
  • 『甘く、楽しく、欲深く。』

上記から「ぽこピー」という新たなキーワードが見つかる。また、書名・著者名だけではなく出版情報登録センターから提供を受けた要約等(出版社側で作成した要約文であり、帯文なども含まれることがある)からのヒットがあることもわかる。『甘く、楽しく、欲深く。』は「甲賀流忍者ぽんぽこ」が同書の推薦者となっていることから検索結果に含まれている。ここから、NDLサーチよりも検索結果の原点となった出版情報登録センターのデータベースの方が、より広く情報を獲得できると予想できる。

出版情報登録センターの出版書誌データベースBooksで「甲賀流忍者!ぽんぽこ」と検索すると次の書籍がヒットする。

  • 『クイック・ジャパン』Vol.177
  • 『POKOPEA』
  • 『ぽんぽこのやらかし百物語』

また、Booksは記号の有無を区別するため、「甲賀流忍者ぽんぽこ」では検索結果は次のとおりとなる。

  • 『ぽこピーの本』
  • 『POKOPEA』
  • 『早稲田文学 第十次』26号
  • 『甘く、楽しく、欲深く。』

さらに『ぽこピー』で検索すると、「甲賀流忍者!ぽんぽこ」「甲賀流忍者ぽんぽこ」のいずれでもヒットしなかったものとして次の書籍がみつかる。『魔のものたちは企てる』は同書の作画担当の紹介の中で「ぽこピーショップ」のメインビジュアルを担当との記述があることから検索結果に含まれている。

  • 『コンプティーク』2023年7月号
  • 『キャラぱふぇ』Vol.99
  • 『Hukyu』01
  • 『魔のものたちは企てる』1巻・2巻・3巻

以上から、検索キーワードの設定によって検索結果が異なることがわかる。また、「甲賀流忍者!ぽんぽこ」を主題とした書籍のほかに、推薦文内などで言及された書籍から、「おむらいす食堂」や「ガしガし」といった関連人物も浮かび上がってくる。関連人物がわかることで「おむらいす食堂」の書籍内で論じられていないか、「ガしガし」の経歴を解説する中で言及されていないかと調査の範囲が広がっていく。

外部リンク

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