原子,分子,イオン

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原子[編集]

あなたが今向かっているコンピュータから、そのキーボードを打っている指まで、すべてものは原子からできています。この小さな粒子は、互いに結びついたり、形を変えて、世の中のすべてのものを構成しています。原子は電子、陽子、中性子からできており、そのの組み合わせによって異なる性質を帯びます。原子の基本的な構造を示したものがボーア模型と呼ばれるものです。

電子[編集]

電子は原子を構成する粒子の一つで、負の電荷を持っています。その質量は以下で触れる陽子や中性子に比べると十分小さいので、[注釈 1] 原子の重さ(=原子量)を考える場合には無視できます。

陽子[編集]

陽子も原子を構成する粒子の一つで、正の電荷を持っており、中性子とともに原子核を構成します。さらに、陽子の電荷を+1とすると電子の電荷は-1となる事が知られています。電子とは異なり、十分な質量を持っているため、原子量を考える際には無視できません。陽子1つ分の重さが1原子質量単位 (amu) となります。原子質量単位は古くはダルトンと呼ばれており、生化学などでは生化学物質の質量を表わす単位として、その名残があります。

中性子[編集]

中性子も陽子とともに原子核を構成する粒子の一つですが、電荷を持っていません。中性子の質量はほぼ陽子と等しく、1つ分の重さが1原子質量単位となります。他の物質との相互作用が非常に小さいため、化学の世界とはあまり深く関わってきません。[注釈 2]

注釈[編集]

  1. 陽子の重さを1とした時、電子はおよそ0.001、中性子はおよそ1.001となります。ただし、普段化学では陽子と中性子の重さを1とし、電子を0として扱い事が殆どです。
  2. 水素原子に限っては、中性子の変化が原子の質量を大きく変化させるために、性質が大きく変化する事があります。例としては、普通の水(軽水、とも言います)は人体にもちろん害はありません。一方で重水、という普段の水素原子に中性子が一個余分についた重水素というものを含む水は、人体に対して毒性を持ちます。いずれにせよ、このような場合を除いては中性子の変化が化学に関わる事はほとんどありません。