Topic:小学校算数
Topic:小学校算数へようこそ!
このトピックはSchool:数学の一部です。
ここでは、算数の教科書を見ながら、自由に学習を行ってください。わからないことがあったら、トークページで質問してください。
2年生
[編集]なぜ×÷を+-より先に計算するのか
[編集]かけざん、わりざんは、たしざん、ひきざんより先に計算するのがふつうです。
1 + 2 × 3は、(1 + 2) × 3 = 9ではなく、1 + (2 × 3) = 7になります。
これは、昔の人がかけざんを先にするルールに決めて、みんながそのルールを使っているからです。
でも、ほんとうはたしざん、ひきざんを先に計算するルールにしてもよいのです。「これからわたしがかく式はたしざんを先に計算するルールにします」とかけば、1 + 2 × 3 = 9と計算しても数学的にはまちがいではありません。
では、なぜ昔の人はかけざんを先に計算するルールに決めたのでしょうか。
じつは、正確な理由はわかっていません。
だれか1人の人がこのルールを決めたわけではないようです。138億年前にビッグバンで宇宙が誕生し、46億年前に地球が誕生し、5200年前に文字が発明されて、計算を式であらわしはじめたときから、何世紀にもわたってかけざんを先に計算するルールができあがっていったようです。
正確な理由はわからないのですが、たくさんの数学者が「こうじゃないかな」と考えている仮説があります。それは次のようなものです。
(1 + 2) × 3という式は、1 × 3 + 2 × 3と同じです。
(○ + △) × □なら、○ × □ + △ × □になります。これを分配法則(ぶんぱいほうそく、distributive law)といいます。
分配法則があるから、たしざんを先にしたい式はぜんぶ、かけざんを先にする式にできるから、かけざんを先に計算するルールができたのではないかと考えられています。
ちがういいかたをすると、かけざんを先にすれば、かっこがある式は、かっこがない式にできるということです。かっこがない式にすることを、展開(てんかい、expand)するといいます。
たしざんを先に計算するルールにすると、○ + (△ × □)という式は、かっこがない式で書くことはできません。
正方形は長方形か
[編集]長方形(ちょうほうけい、rectangle)とは、4つの角がみんな直角な四角形です。
正方形(せいほうけい、square)とは、4つの角がみんな直角で、4つの辺の長さがみんな同じ四角形です。
「4つの角がみんな直角で、4つの辺の長さがみんな同じ」なら、「4つの角がみんな直角」なので、正方形は長方形のなかまです。
ちなみに、四角形は英語でquadrilateralといいます。quadrangleといういい方もありますが、数学者の間ではあまり使われません。
正三角形は二等辺三角形か
[編集]二等辺三角形とは、2つの辺の長さが等しい三角形のことです。
正三角形とは、3つの辺の長さが等しい三角形です。
3つの辺の長さが等しければ、2つの辺の長さも等しいですから、すべての正三角形は二等辺三角形です。
逆に、二等辺三角形のなかには、2つの辺の長さは等しいけれど、1つの辺の長さが違うものもあるので、二等辺三角形は正三角形であるとはかぎりません。
なぜ0で割ってはいけないのか
[編集]わりざんでは、6 ÷ 3は2になりますが、3 ÷ 0のように、0でわる計算はできないことになっています。でも、0 ÷ 3は0です。いったいなぜなのでしょうか。
すこし立ちもどって考えてみると、a ÷ bというのは、a個のものをb人でわけると、1人分はいくつになるかをあらわしているのでした。
たとえば、6万円を3人でわけると、1人分は2万円になります。このことを6 ÷ 3 = 2とあらわしています。
0 ÷ 3 = 0というのは、0万円を3人でわけると、1人分は0万円になるということをあらわしていますが、これはほんとうに正しいのでしょうか。
3 ÷ 0というのは、3万円を0人でわけると、1人分はいくつになるかをあらわしています。0万円のような気もしますが、はっきりしません。
ここで、○ ÷ △ = □になるなら、○ = □ × △がなりたつということを思い出してみてください。
たとえば、6 ÷ 3 = 2なら、6 = 2 × 3がなりたちます。
これをつかうと、
- 0 ÷ 3 = 0
というのは、
- 0 = 0 × 3
となりますが、これはたしかにあっています。ですから、0 ÷ 3 = 0は正しいのです。
一方で、
- 3 ÷ 0 = 0
というのは、
- 3 = 0 × 0
となってしまうので、正しくありません。
じつは、
- 3 ÷ 0 = △
の△になにをいれても、
- 3 = △ × 0
となってしまい、0になにをかけても0なので、正しくならないのです。
そのため、3 ÷ 0や、1 ÷ 0のように、ほかの数を0でわる計算はできないのです。
また、0 ÷ 0は、もし
- 0 ÷ 0 = 0
だとすれば、
- 0 = 0 × 0
となって正しいように見えますが、じつは
- 0 ÷ 0 = 1
としても、
- 0 = 1 × 0
なので正しいことになってしまいます。
0 ÷ 0 = 0も正しくて、0 ÷ 0 = 1も正しいということは、0 = 1ということになってしまうので、やはり0 ÷ 0という計算はできないのです。
5年生
[編集]円の面積はなぜ半径×半径×3.14なのか
[編集]円の面積の公式は、半径×半径×3.14ですが、それについてもう少し考えてみましょう。 と、その前に、「円周」の求め方を知らなくてはいけません。
円と、その中にぴったり収まる正六角形を考えます。
このとき、正六角形に対角線を引くことで正三角形6つができます。
ここで、図より円の直径は、正六角形の辺2本分と等しいとわかります。正六角形には辺が6本ありますので、正六角形の周りの長さ=直径×3とわかります。
そして、円の円周は正六角形より長いですので、
円の円周>直径×3とわかりました。
また、直径と同じ長さの辺を持つ正方形よりは円周は短いですので、
直径×4>円の円周>直径×3 がわかりました。
ところで、すべての円で、円周÷直径の値は一定になります。それを円周率と言い,
πという記号で表します。π=3.14・・・です。(3.14として計算を進めます)
ここで、円周÷直径=3.14なのですから、式を変形して、円周=直径×3.14となります。これが円周を求める公式です。たしかに、直径×4>円の円周>直径×3にあてはまります。
では、面積を求めます。円の面積を求めるために、1つの円を64等分し、
図のように上下交互に並べ替えます。
細かくしていくと、だんだん長方形に近くなっていきます。すると、この図の、上の辺+下の辺=円周となるので、この長方形の横の長さは円周の半分、つまり直径×3.14÷2となります。直径÷2=半径ですから、この長方形の横の辺は半径×3.14となります。縦の辺は半径ですから、長方形の面積の「縦×横」に代入して、円の面積は半径×半径×3.14となります。
6年生
[編集]分数のわりざんはなぜ分子と分母をひっくりかえしてかけるのか
[編集]1 ÷ 2 = であるように、わりざんと分数はおなじものです。これをつかうと、たとえば ÷ は、次のように計算できます。
- ÷
- =
- =
- =
- =
このように、分数のわりざんは、結果的に分子と分母をひっくりかえしてかけることとおなじだということがわかります。