通関士試験

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通関士試験とは、通関士として勤務しようとする際に税関へ通関士資格の証明確認をしなければならないが、その通関士資格を認定するための財務省管轄の国家試験である。

  • 通関士試験の学習においては、法制度の理解と堅実な記憶力が重要となる。
  • 昨今、試験に難化傾向があったが2011年度の第45回通関士試験・通関実務に顕著に見られた。様々な事情が考えられるが、今後も難化傾向が続くと予想される。
  • 本項目は、通関士試験受験者の学習に指針を示し、効率的な学習を促進することで多くの合格者を輩出させ、本国の貿易業界・通関業界・その他の関連業界の発展に寄与することを目的としている。
  • 外部リンクにある諸外国税関のホームページを各国の貿易・通関への方針を知る上で参考にされたい。
税関旗
参考書多数必要
各種セミナー
合格!!(Pass!! Test!!)

学習目的[編集]

学習目的を明確化させることが肝要であり、受験の目的を明らかにし合格後のヴィジョンを確立すれば試験学習に対する意欲が生まれる。受験目的には例えば次のようなものがある。

  • 通関士となるため(通関業者等に勤務し税関の登録を受け、通関士の職務に就くため)
  • 社内における評価(地位、給料)の向上のため
  • 就職活動のため(貿易業界等への就職を有利とするため)
  • 一定の活動のため(個人事業や教育指導、その他の活動に資格、知識を役立てるため)

ライフスタイル[編集]

ライフスタイルが合否を決めると言っても過言ではない。資格試験の合格を目指すためには相応の自己管理が求められる。受験をするからには、時間、体力、金銭などあらゆるものを投下する覚悟が必要である。就労者の受験と学生などの非就労者の受験では、有利不利の違いがあり以下のようにまとめることができる。なお、ここでいう就労者とは通関業者や貿易関連企業に勤務している、または会社に通関士試験の受験体制が整備されている会社に勤務している者を指す。

有利な点 不利な点
就労者
  • 勤務先の受験支援制度の利用
  • 同僚、社内関係者との試験に関わる相談
  • 有効な時間が少ない
  • 体力面で負担が大きい
非就労者
  • 時間的制約が少ない
  • 場合によっては受験勉強のみに集中できる
  • 金銭面で余裕が必要
  • 受験の中途放棄が多い

以上の有利不利を改めて再確認し独自のライフスタイルを確立すると良い。日々の生活の中で当たり前のことでも、それに使う時間や一定の制約、ルールを決めて実行しなければならない(外遊、趣味、食事、睡眠など)。

試験概略[編集]

受験資格[編集]

学歴、年齢、経歴、国籍等についての制限がなく、誰でも試験を受けることができる。

申し込み[編集]

例年7月1日に税関ホームページに通関士試験の公告が出る。8月上旬から8月中旬と申し込み可能期間が短いことに注意を要する。申込方法には①税関に直接足を運び書類申請する(3000円分の収入印紙を持参すること。郵送手続きはなく電話で税関に問い合わせも可能)、②申し込み書類を郵送で請求し返送する、③NACCSによるネット申請をする(郵送あり)、というものがある。

試験日時等[編集]

以前は10月の中旬頃であったが、最近は10月の第一日曜日になっている。2012年の第46回通関士試験は10月7日に実施された。以下参照。通関業法と関税法の合格基準は、例年6割以上(60%以上)であったが、2015年度においては55%以上となっている。

科目 時間 出題数 配点 合格基準
通関業法 午前9時30分から午前10時20分まで 20問 40点 24点(6割基準)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。) 午前11時00分から午後0時40分まで 30問 50点 30点(6割基準)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 午後1時50 分から午後3時20 分まで 17問 30点

18点(6割基準)

通関実務の合格基準は基本的には他科目と同様に満点の6割基準であるが、ここ数年変動している。

年度 合格基準(通関実務)
2005 39 輸出申告書及び輸入申告書、その他ごとに満点の60パーセント以上
2006 40 輸出申告(第1問)、輸入申告(第2・3問)、その他(第4~13問)ごとに満点の60パーセント以上
2007 41 輸出申告(第1問)及び輸入申告(第2問から第13問)ごとに採点(ただし、輸入申告のうち第2問・第3問を除く総得点がその満点の50%以上であること)。
2008 42 輸出申告(第1問)及び輸入申告(第2問)、その他(第4~17問)ごとに満点の60パーセント以上
2009 43 輸出申告(第1問)及び輸入申告(第2問)、その他(第4~17問)ごとに満点の60パーセント以上
2010 44 満点の60パーセント以上
2011 45 満点の50パーセント以上
2012 46 満点の60パーセント以上
2013 47 満点の60パーセント以上
2014 48 満点の60パーセント以上
2015 49 満点の50パーセント以上
2016 50 満点の55パーセント以上

試験内容[編集]

科目免除の特例[編集]

一定の条件を満たし審査に通れば、試験科目の一部が免除される。特に通関実務が難化傾向にある現在では、(通関実務科目の)免除者優遇試験と評されている。

免除科目 条件 通算期間
  • 通関実務
通関業者の通関業務又は官庁における関税その他通関に関する事務(税関の事務及びその監督に係る事務をいう。以下同じ。)に従事 5 年以上
  • 関税法等
  • 通関実務
通関業者の通関業務又は官庁における通関事務(税関における貨物の通関事務(その監督に係る事務を含む。)をいう。以下同じ。)に従事 15年以上

なお、通関業者の通関業務及び官庁の関税に関する事務等の中には、特別の判断を必要としない機械的事務(例えば、自己の判断を要しない単なるパソコン等への入力事務及びタイプ事務、使送事務、貨物の内容点検業務等)は含まれないことになっている。

受験、合否の手続き[編集]

試験は年1回(通関業法では年1回以上となっているが、年2回実施されたことはない)、10月上旬か中旬の日曜日(近年は当月第1日曜日に設定されることが多い)に全国13ヶ所(受験者の多いところでは大学を借りて行なうことが多い。また同一都市でも2箇所以上に分散することもある)で実施している。例えば、東京税関管轄の受験であれば、東京会場と新潟会場があり、前者は東京大学駒場キャンパスである。 合格者の発表は同年の11月下旬に官報に受験番号と名前が掲載される。またインターネット官報で合格発表日の午前8時30分過ぎに閲覧することができる。税関ホームページにて閲覧できるのは正午過ぎである。受験した税関の各官署にも合格者の受験番号が提示される。さらに合格者のみに受験した税関官署から合格証書が合格発表日に送付されることになっている。    

試験方式[編集]

2006年10月1日実施の第40回試験より回答形式が大幅に変更され、全問マークシート方式となった。 通関実務においては、携帯用電子計算機(携帯電話などの小型端末を除く)の持ち込みが指示されている。電卓の打音が気になる場合には耳栓の持ち込みも可能であるが、事前に試験監督官に申し出る必要がある。

合格率の推移[編集]

年度 回数 願書
提出者数
受験者数 受験率 合格者数 合格率
1967 1 4578 3913 85.5 795 20.3
1968 2 3548 2530 71.3 769 30.4
1969 3 3231 2229 69.0 462 20.7
1970 4 2946 1806 61.3 476 26.4
1971 5 2714 1755 64.7 354 20.2
1972 6 2517 1548 61.5 365 23.6
1973 7 2331 1482 63.6 303 20.4
1974 8 2621 1746 66.6 341 19.5
1975 9 3043 2138 70.3 428 20.0
1976 10 2810 1970 70.1 375 19.0
1977 11 3021 2115 70.0 365 17.3
1978 12 3419 2330 68.1 397 17.0
1979 13 3814 2587 67.8 442 17.1
1980 14 4140 2737 66.1 437 16.0
1981 15 4179 2739 65.5 533 19.5
1982 16 3884 2709 69.7 474 17.5
1983 17 3877 2610 67.3 412 15.8
1984 18 3437 2398 69.8 374 15.6
1985 19 3667 2622 71.5 343 13.1
1986 20 3755 2760 73.5 425 15.4
1987 21 3734 2701 72.3 506 18.7
1988 22 3962 2832 71.5 515 18.2
1989 23 4436 3060 69.0 634 20.7
1990 24 4875 3431 70.4 602 17.5
1991 25 5656 3813 67.4 765 20.1
1992 26 6767 4775 70.6 1157 24.2
1993 27 8517 5821 68.3 1285 22.1
1994 28 11067 7389 66.8 1639 22.2
1995 29 13033 9066 69.6 1396 15.4
1996 30 15077 10564 70.1 1720 16.3
1997 31 15780 11108 70.4 1661 15.0
1998 32 16275 11639 71.5 1394 12.0
1999 33 16258 11449 70.4 1703 14.9
2000 34 14981 10289 68.7 1446 14.1
2001 35 13886 9970 71.8 1050 10.5
2002 36 13467 9973 74.1 2848 28.6
2003 37 13556 10001 73.8 1211 12.1
2004 38 13691 10191 74.4 1920 18.8
2005 39 13268 9953 75.0 2466 24.8
2006 40 13141 10357 78.8 725 7.0
2007 41 13727 10695 77.9 820 7.7
2008 42 13267 10390 78.3 1847 17.8
2009 43 13159 10367 78.8 807 7.8
2010 44 12087 9490 78.5 929 9.8
2011 45 11760 9131 77.6 901 9.9
2012 46 11544 8972 77.7 769 8.6
2013 47 11340 8734 77.0 1021 11.7
2014 48 10138 7692 75.9 1013 13.2
2015 49 10018 7578 75.6 764 10.1
2016 50 9285 6997 75.4 688 9.8
全年度 全回数 405,284(計) 295,152(計) 72.8(平均) 45,072(計) 15.3(平均)

注意:合格率は①全科目受験者と②一科目免除者、③二科目免除者の平均値であるので、通関業界の初心者、初学者は合格率をさらに低く見積もって考える必要がある。全科目受験者の合格率は10%を下回るが、科目免除者の合格率は20~40%となっている。第45回通関士試験においては、それぞれ7%付近、30%付近となっている。

傾向と対策[編集]

試験の出題傾向と対策について、簡単に解説する。

科目 傾向 対策
通関業法 
  • 法改正の出題がなく、例年通り
  • テキスト読解
  • 過去問演習
関税法等 
  • 法改正の出題
  • 新たなタイプの出題
  • テキスト読解
  • 過去問演習
  • 模試受験
通関実務 
  • 法改正の出題
  • 新たなタイプの出題
  • 難化傾向
  • テキスト読解
  • 過去問演習
  • 模試受験
  • スクールによるセミナーへの参加
  • 通関実務の科目免除

第45回通関士試験・通関実務(平成23年度 通関士試験)[編集]

試験の難易度が飛躍的に難化し、前年の第44回からはかけ離れた問題の量と質から、3科目受験者には試験後落胆する者が続出するなど騒ぎとなった。以下、難易度を高めている特徴を列挙する。

輸出申告[編集]

  • 専門性の高い化学品の商品分類(英文読解を困難にしている)
  • 多量の類注(輸出統計品目表)
  • 8項目に及ぶ品目
  • DAT条件による申告価格の表示(2010年度版のインコタームズに対応)

輸入申告[編集]

  • 多種類の商品を含む品目(税番検索を困難にしている)
  • 多量の実行関税率表
  • 複雑な価格条件(①10%値引きの加算・非加算や②連続計算について議論になった)

計算式[編集]

  • 三国間貿易の形態、に基づく税額計算
  • 同種または類似の貨物に係わる取引価格による課税価格の決定、に基づく税額計算

選択・択一式[編集]

  • 通達の規定(条文そのままの抜粋)
  • 項の規定と類注の規定(制作後100年超のこっとう)
  • チョコレート製品
  • 課税物件の確定時期の規定(テキストに記載なし)
  • 運送要件証明書の規定

(輸入申告価格の争点)[編集]

10%値引きの加算・非加算[編集]

以下、試験問題からの抜粋である。

「別紙1の仕入書に記載されたそれぞれの価格は、今後、輸入者(買手)が輸出者(売手)に対して販売する製品の価格を10%引き下げることを条件に、輸出者により10%の値引きが与えられた後の価格である。」

この文章から読み取れる値引き加算の論拠は次のようなものである。

  • 問題の値引きは、輸入貨物とは無関係である。値引きをするための条件が輸入申告価格の決定時点において未成立であるという不確実性から、値引き前の価格が確実性のある申告価格である。
  • 本試験問題のような値引きが認められてしまうと、互いに値引きをしあい申告価格を限りなく減らすことが可能となり申告価格の不正(脱税)につながる。
  • 関税定率法基本通達4-17-(2)の適用
[注意]
「関税定率法基本通達4-17(課税価格の決定を困難とする条件)」 
法第4条第2項第2号<<課税価格の決定を困難とする条件>>に規定する輸入貨物の課税価格の決定を困難とする条件に関する取扱いは、次による。
(1)輸入貨物に関わる輸入取引に当該輸入貨物の課税価格の決定を困難とする条件が付されている場合は、当該輸入貨物の課税価格は、法第4条の2以下の規定により計算する。例えば、次のような場合がこれに該当する。
イ 輸入貨物の買い手が特定の数量の他の貨物をも購入することを条件として、売り手が当該輸入貨物の価格を設定する場合
ロ 輸入貨物の買い手が売り手に販売する他の貨物の価格に、当該輸入貨物の価格が依存している場合
ハ 輸入貨物の売り手が、特定の数量の完成品を受け取ることを条件として、その半製品である当該輸入貨物を買い手に提供する形態その他これに類する特殊な支払の形態を基礎として、輸入貨物の価格が設定される場合
(2)輸入貨物に係わる輸入取引について、条件(法第4条第1項各号に掲げる事項または買い手が自己のために行う活動に関わる条件を除く。)が付されている場合において、当該条件に係わる額が明らかであるときは、当該条件は課税価格の決定を困難とする条件に該当しない。この場合、当該条件に係わる額は当該輸入貨物の現実支払価格に含まれるものとして、法第4条第1項<<課税価格の決定の原則>>の規定により当該輸入貨物の課税価格を計算する。

非加算の論拠は次のようなものである。

  • 取引条件(当該条件がなければ輸入が不可能となる取引条件)に基づいた値引きであり、さらに相殺値引きに該当しない。
  • 値引きをし合うことが決して利益を生むことにはつながらず、値引きをし合うことによる申告価格の不正が起きるとは断定できない。
  • 問題文からは、関税定率法基本通達4-17-(2)が適用できるか判断の余地がある。
 
[参考]加算、非加算の論議について以下参照できる。

連続計算[編集]

連続計算とは、加算要素の費用がインボイスの各項目の申告価格に基づいて按分される場合において、電卓を使って按分係数を先に導きだし、その数値をメモリー機能により電卓に記憶させ、連続的に本邦通貨の換算価格を算出する方法である。一般に次の公式が設問に適用できるときに、連続計算ができる。

換算価格={「調整後インボイス価格の総額」×(「各項目の調整前インボイス価格」/「調整前インボイス価格の総額」)}×為替レート

(“換算価格”とは回答すべき輸入申告価格である。“調整”とは加算要素の費用を加算することを指す。)

「各項目の調整前インボイス価格」を変数とみなし、それ以外の積算部分を先に計算し按分係数をつくる。すると、換算価格=「按分係数」×「変数」となる。実際に電卓を使った場合は、先に按分係数を求め、電卓の“M+”や“M-”のメモリー機能を使い電卓に記憶させる。そして、電卓に按分係数を出力させ変数を乗じれば換算価格を導き出せる。一つ換算価格を求めることができたら、次に“C”でクリアーし、再び“RM”や“MR”で按分係数を出力させ、次の変数と乗じればよい。なお、“CA”もしくは“AC”でクリアーすると、メモリーまで消去されるので、“C”のボタンを使う(この電卓のメモリー機能は他の事務計算においても使われるテクニックであるので、習得すると便利である。)。

連続計算を使わずに、換算価格={「調整後インボイス価格の総額」×「各項目の調整前インボイス価格」×為替レート}/「調整前インボイス価格の総額」と計算式を分子/分母のように組み換え、先に分子の部分を計算し最後に分母で除算する方法がある。この方法では誤差の生じない正しい数値が算出できる(非連続計算や個別計算と言われることがある)。

誤差についての簡単な例が、3×1/3(3分の1)である。この答は普通ならば1であるが、1/3(3分の1)を先に計算して最後に3を乗算すると、3×0.333333...となり答えが0.999999…となる。先ほどの按分係数が0.333333...のように割り切れない数となってしまうと連続計算の答えも0.999999…のように割り切れない不正確な数値が算出されてしまう。
以下、第45回通関士試験の輸入申告価格を非連続計算と連続計算で算出した数値を比較した表である。
算出方法\輸入申告価格 (f) (g) (h) (i) (j) (f)~(j)の総額 仕入書価格の総額からの換算価格
非連続計算 1489600 1061340 633080 223440 316540 3724000 3724000
連続計算 1489599 1061339 633079 223439 316539 3723995 3723999

表の連続計算により算出した輸入申告価格(f)~(j)の総額に注目すれば5円の差額があり、仕入書価格の総額からの算出額に注目すれば1円の差額がある。それに対して非連続計算ではどちらも同額になっており、連続計算が誤った数値を算出していることを示している。

今後の試験においては、按分係数が割り切れない数となれば連続計算は使わず、そうでなければ連続計算を使うというように使い分けをすることが重要である。

 準備[編集]

学習目的を定め、ライフスタイルについて計画・実行し、教材やスクールまたは通信教育の準備が整い次第、通関士試験学習のスタートラインを切ることが可能となる。

市販テキスト・問題集・参考書[編集]

  • 通関士試験の指針(試験範囲を網羅している)・通関士試験問題解説集・ゼロからの申告書・関税評価303
  • 通関士試験合格ハンドブック(罫線表でよくまとめられている)・通関士試験テーマ別問題集・通関士試験実践トレーニング・どこでもできる通関士
  • 通関士教科書 通関士完全攻略ガイド(丁寧に解説されている)・通関士教科書 通関士合格問題集
  • マンガ関税評価制度の手引き(初学者にもわかりやすい)・マンガ関税率表の解釈・関税率表徒然草・関税率表用語の手引き
  • 関税六法・関税関係基本通達集・実行関税率表(輸出統計品目表)
独学で学習する場合には、出来るだけ多くの参考書を使用すると正確な情報を集めることが出来る。参考書によって解説方法が違うことが多く、分かりやすい説明部分もあればそうでない部分もある。上記テキストはそれぞれ重点を置いている解説箇所(関税法、通関実務など)が異なっている。

通関士試験では法令改正の内容が例年出題されるので、参考書は最新版(本試験と同年度版)の利用を勧める。法令改正の正式な出題範囲については8~9月頃から関税協会、予備校等のサイトで確認できる。

ネットマーケットにおいては過去の問題集(主に中古本)が格安で販売されている。

通関実務の訓練を積むには①過去の試験問題②市販問題集の独自問題③各スクールが実施している模擬試験(日本関税協会は過去3~5年分の協会模擬試験を販売している)を解き尽くすと良い。

スクール ・通信教育[編集]

その他[編集]

日本関税協会[編集]

日本関税協会は1949年に財団法人として設立され、2011年に公益財団法人に移行した。関税協会とも呼ばれる。主に貿易や通関に関する情報提供、相談受付、統計作成、外国の各種団体との連携、通関士試験の教育活動を行なっている。当協会が提供する通関士試験のためのサービスには数多くのものがある。以下参照。

  • 通関士試験の通学講座、通信教育
  • 教育セミナー(通関手続教育セミナー、貿易実務教育セミナー、横浜港・東京港・成田国際空港での実地研修 etc.)

※以下、協会の受講生や賛助会員が利用可

  • メールや電話による学習上の各種質問、問い合わせ
  • 蔵書閲覧(貿易や通関に関する書籍、協会出版のテキスト・過去問題集)、コピー(一部10円)
  • 受講生専用ホームページの閲覧(受講生のみ)
  • 教育セミナーの料金割引(賛助会員のみ>>>通学講座、通信教育、短期講座には割引制度が適用不可)
  • 関税六法、関税関係基本通達集、実行関税率表等の配布(賛助会員のみ)

国立国会図書館[編集]

数多くの参考書や事典の蔵書があり、閲覧無料である。電子申請を使い、コピーを依頼しコピーされた用紙を自宅に配送することもできる。

電子掲示板[編集]

大勢の受験生等とのコミュニケーションを図り情報のやり取りをすることができる。通関士合格塾の受験生の溜まり場BBSや某掲示板サイト(通関士試験スレ)、その他のサイトにて盛んに情報交換が行われている。

模擬試験[編集]

スクール主催の模擬試験が試験年度の8~9月頃に実施されているので、問題演習や試験の雰囲気慣れに活用できる。申し込みは模擬試験日の1~2ヶ月前に受け付けている。

関連資格[編集]

貿易実務検定C級、できれば貿易実務検定B級を学習取得後に通関士試験に挑戦すると貿易全体の視野を持ちつつ通関について学習でき効率良く理解することができる。

解説、受験テクニック[編集]

以下、理解するべきポイント、暗記方法を示す。通関実務の対策においては、計算方法などについて説明する。ただし、説明は私見を含んだ記述であり利用するには注意を要する。公的に認められたものか定かではなく、その確認はされていない。公的に認められた見解・法解釈は各人の調査に委ねられる。

暗記方法[編集]

暗記方法には記憶を保持確立するためのツール(語呂合わせなど)の有無により直接記憶(ツール無し)と間接記憶(ツール有り)というように大別される。前者をダイレクト方式、後者をインディレクト方式と呼ぶ。

1.ダイレクト(direct)方式

  • 読む(音読、黙読)
  • 書く
  • 聞く

2.インディレクト(indirect)方式

  • 語呂あわせ
  • 罫線表(マトリクス)
  • 図、絵
  • 略語(通関業法を業法、保税地域を保地、と略すなど)
  • 造語(保税地域を保留地域や通関地域と命名するなど)

語呂合わせ[編集]

≪語呂合わせには以下のようなものがある。覚えやすいものを個人で作るとよい。≫

概略 暗記部分 語呂合わせ 語呂合わせの訳
賦課課税方式適用の場合
  • 携帯品
  • 別送品
  • 20万以下等の郵便物
  • 附帯税
  • 一定の法律
  • 一定の事実
  • 相殺関税、不当廉売関税
  • ATAカルネ
  • 免税コンテナー
  • 外交官用貨物
  • 荷粉(にご)
  • 船用品
  • 託送品
携別郵、附法事、相不、A免、外交官の荷粉に船用品を託す 軽蔑you、不法時、喪富、アーメン、外交官の荷夫(にふ;荷物を運ぶ人)に船用品を託す
通関業者の義務
  • 通関士の義務と同じもの
  • 審査、記名押印
  • 通関士の設置
  • 料金の掲示
  • 報告
  • 記帳
  • 届け出
義務で審記に設置した料金の報記を届け出る 義務で新規に設置した料金の法規を届け出る


罫線表(マトリクス)[編集]

罫線表は①テキストにあるもので一度作り直したものや②自ら考案して作ったものを一部(整理用マトリクス)、さらに暗記箇所が欠けている罫線表(暗記用マトリクス)を一部作り活用することでより良く暗記することができる。具体例として、以下に税額計算の端数処理(~円未満、~ℓ未満→非対象、切捨)の罫線表を載せる。


「整理用マトリクス」
税の種類 課税標準の端数処理 税額の端数処理
関税・従価税品 千円 百円
消費税
地方消費税 百円
酒税 10mℓ,100分の1ℓ


「暗記用マトリクス」
税の種類 課税標準の端数処理 税額の端数処理
関税・従価税品 ~円 ~円
消費税
地方消費税 ~円
酒税 ~ℓ


上記の2つの罫線表を見比べ、できれば罫線表そのものをイメージできるようにする。本試験の時も罫線表を思い出すことで、すぐに回答できるようになっているのが理想的である。 テキストに作られていないものでも、積極的に罫線表化(マトリクス化)させる作業が肝要である。 例えば、法令別に以下の単元を罫線表化させることが勧められる。

  • 関税法
  1. 保税地域
  2. 記帳保存の義務
  3. 特定輸出申告
  4. 特例輸入申告
  5. 原産地証明書
  6. 輸出、輸入申告方法(申告不要や、口頭、ATAカルネの使用など)
  7. コンテナー扱い、予備申告制度の輸出、輸入時における要件
  8. 異議申し立て、審査請求、訴訟
  9. 担保の種類
  10. 課税物件の確定時期、適用法令、納税義務者(1つの罫線表に整理可能である)
  11. 法廷納期限、納期限
  12. 修正申告、更正の請求、更正、決定
  13. 延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税
  • 関税定率法・関税暫定措置法
  1. 特殊関税(便益、報復、対抗、相殺、不当廉売、緊急)
  2. 課税価格の計算方法(①同種または類似、②国内販売価格、③製造原価)
  3. 関税率表(部の表題、類の表題、さらに項に掲げる品目)
  4. 減免戻し税制度(暫定法の①航空機部分品等の免税や②加工組立品の減税の単元も一緒に1つの罫線表へ整理統合、大きな用紙が必要)
  5. 特恵関税の供与方式
  • 関税関係特例法
  1. コンテナー特例法、ATA特例法
  • 外為法
  1. 輸出令の輸出許可、同令の輸出承認、輸入令の輸入承認
  • 関税法、通関業法
  1. 欠格事由、失効の場合
  • 関税法、外為法、通関業法
  1. 罰則(関税法)、制裁(外為法)、行政処分と罰則(通関業法)



補足説明[編集]

《関税法》[編集]

1.外国貨物と内国貨物――――概念の目的

本国に出入りする貨物を監視し取り締る税関は一定のルール(関税法)に基づいて、輸出入される(され得る)貨物を外国貨物と内国貨物とに識別している。この概念的識別には、特に関税徴収において取り締まりを容易とする機能がある。
税関は、水際での取り締まりとして社会悪物品(輸出入が禁止されている薬物や武器類)の出入りを阻止するとともに、輸入時の関税の徴収、その他通関手続きの許認可や貿易統計の役割がある。一方、輸入とは外国貨物を本邦に引き取ることと規定されているが、関税等(関税と内国消費税)の徴収後に内国貨物と識別され初めて輸入が完了することとなる。すなわち、外国貨物は関税等が未徴収のものであり、内国貨物は関税等の徴収済みのもの又は徴収する必要のないものとなる。
注意:上記説明の外国貨物について、輸出手続きされた(輸出許可を受けた)外国貨物を輸出取り止めとして再輸入する場合には関税等は徴収されず、このような場合は除いている。
以上から、税関は関税等の徴収において外国貨物のみに注意を払えばよいわけで、また外国貨物と内国貨物の識別は関税等の徴収済みかどうかの目印ともなる。
関税法の規定において、まず輸入の定義から始まり次に輸出の定義がされている点、さらに内国貨物が外国貨物以外のものとの定義がされている点を考慮すると、外国貨物により比重が置かれていることが分かる。これも関税等の徴収を踏まえての法記であると見てよいだろう。
{参考}関税法の外国貨物と内国貨物の定義
外国貨物:「外国貨物」とは、輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)で輸入が許可される前のものをいう(関税法第2条の3)。
内国貨物:「内国貨物」とは、本邦にある貨物で外国貨物でないもの及び本邦の船舶により公海で採捕された水産物をいう(関税法第2条の4)。
注意:関税法において基本的には一国の領土と領海内に存在するものは、その国に属する貨物とみなされる。すなわち、最初から本邦内にあれば内国貨物であり、最初から外国(本邦でない国、地域)にあれば外国貨物とみなされるわけである。ところが公海は本邦や外国のどちらにも属さない領域であるので、公海に存在する貨物(水産物)をその貨物を採捕する船舶の国籍で、本邦に存在する貨物(内国貨物)と外国に存在する貨物(外国貨物)とに識別することにしたのである。

2.保税制度

保税の意味については、関税法等に定義がなく、一般に“外国貨物の(関税額等の決定・徴収前の)輸入許可未済みの状態”と考えられている。外国貨物は有税品と無税品とに分類されるが、無税品もそれが無税品と決定されるまでは租税の対象となるので、保税地域への搬入が必要となる。
関税法は保税制度を設けていて①保税地域制度と②保税運送制度がある。前者の目的には、税関の貨物取扱地域として水際での取り締まりの敢行、さらに輸入貨物からの租税徴収が挙げられる。後者の目的は、輸入手続きの円滑化である。保税地域間の保税運送について言えば、外国貿易船等に積載された外国貨物は寄港地最寄りの保税地域に陸揚げされるが、それが輸入者の輸入を予定していた保税地域ではないことがある。そこで、租税徴収を留保したまま(輸入手続き未済みのまま)外国貨物を希望する保税地域まで運送できるようにしたのである。
保税地域という名称は紛らわしいので注意を要する。保税というと、輸入時の関税等の徴収のイメージが伴ないがちであるが、輸出時にも原則として輸出する貨物の保税地域への搬入が義務付けられている。保税地域に代わる名称として、例えば「保留地域」や「通関地域」のように命名してみると分かりやすい。上記のような保税地域制度の目的(水際での貨物取り締まり、租税徴収)を含んだ名称である。保税地域を規定している関税法も、その名称からあたかも“関税”についての法というイメージをしてしまいがちであるが、貨物の通関法と租税法として制定されている。
租税徴収には、関税、消費税、酒税などが挙げられるが、その目的は①国、地方の財政収入と②(特に関税について)輸入量の調整がある。このように保税地域は様々な機能を果たしていることになる。
{関税の輸入量調整機能}1948年に発効したGATT(関税と貿易に関する一般協定)では、第2次世界大戦の一因となった保護貿易主義の撤廃を推進するために、従来の輸入数量制限の撤廃と高率な関税率の引き下げが定められた。現在、本国において、一部の物品を除き輸入数量制限は認められていない。
保税制度の起源として、幕末には官設の借庫規則が定められている。慶応2年(1866年)の改税約書には、列国の要求に基づき貨物の蔵地に関する規定が設けられたとしている。保税運送は、旧関税法では、陸路運送に相当する通過制度、海路運送に相当する回漕制度があった。
航空運送と陸路運送の進歩、特定保税承認制度や特定輸出者制度のため、保税地域が内陸部に設置されることが増加したようである。従来は、水際での取り締まりと読んで字のごとく、港付近に設置されていた保税地域も、税関の遠隔地への出張、監視体制が整備されたことに伴い位置的制限がなくなっている。

3.AEO制度

特定輸出申告制度に代表されるAEO制度は本国に限ったものではなく、諸外国でも実施されている。WCO(世界税関機構)において、その枠組みがWCO総会などで取り決められており、世界的な活動として推進され、通関手続きを簡略化することがAEO制度の趣旨である。以下、本国のAEO制度の推移。
導入年時 制度
2006年10月
  • 特定輸出申告制度
2007年4月
  • 特例輸入申告制度
2007年10月
  • 特定保税承認制度
2008年4月
  • 認定通関業者制度
  • 特定保税運送制度
2009年7月
  • 認定製造者制度

《関税定率法》[編集]

1.課税価格の決定

課税価格とは、税関が従価税品に課税する際に関税率を課することとなる基準額である。次のような式が成り立つ。
関税額=課税価格×関税率
一般的に課税価格は貿易の「取引価格」である。「取引価格」は、「インボイス価格(決済価格)」と「別払い価格」に分類できる。さらに、「別払い価格」は「加算要素」と「その他の費用(インボイス価格と加算要素以外の費用)」に分類される。「加算要素」はGATT協定(1994年の関税及び貿易に関する一般協定第7条の実施に関する協定)の序説において次のように規定されている。
“金銭の形態ではなく特定の物品または役務の形態で買手から売手に提供されるものの価額を取引価額に含める”(協定では価格ではなく価額としている)
課税価格の理解を困難にしているのは、上述の「加算要素」の概念である。課税価格は、あくまで税関が税額を計算する際に用いるもので、商品価格(インボイス価格)にさらに運賃や保険料、保管費用、各種手数料等を上乗せ又は控除して計算されている。加算要素とは、商品価格とは別に支払われる価格(「別払い価格」)のうち協定、国内法において特に列挙されている費用と考えておけばよい(覚える必要アリ)。また、課税価格の計算は諸外国において異なる部分もある。例えば、アメリカ、オーストラリア、カナダ、南アフリカなどの国々は運賃や保険料を課税価格に含めない。
参考:従価税品の課税標準である課税価格を決定することを関税評価という。関税評価を学習するに当たり各種参考書、関税評価303、マンガ関税評価制度の手引きを読破し、税関への相談受付も活用することで理解も深まる。

2.関税率表(タリフ)

関税率表が通関士試験と他の法務資格試験とを隔てる存在といっても過言ではなく、それほど士業においても試験対策においても重要なものである。関税率表が理解できなければ通関実務・申告書の回答は早くならない。
本国の関税率表は、HS条約(商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約)に定めるHS品目表に基づき作成されている。世界共通の品目表(特定の商品に番号付けをしているコード表)を作成することで、貿易の円滑化を世界各国で目指しているのである。条約締約国はHS品目表を使用するにあたり一定のルールが課されており、例えば項(4桁)と号(6桁)の番号を変更することなく使用しなければならない。諸外国の関税率表は、例えば国立国会図書館やジェトロ・ビジネスライブラリー(JETRO)で閲覧することができる。
分類が、12部・97類・約1220項・約5050号という段階で表わされる(化学品などの類において、項をまとめて節が設けられている)。農産品から工業産品と列挙し、それぞれのカテゴリーにおいて①天然物②原材料③材料、部品④加工品⑤製品のように加工度の低いものから高いものと列挙されている。なお、生きている動物や肉製品が最初に列挙されているなど、人によってはグロテスクと感じられる品目もある。日常的に空間に充満している空気(圧縮空気やガス製品を除く)や人間の遺体は分類されていない。本国は採用していないが、諸外国においては電気が分類されている。
部と類は数字上の単純な列(1.2.3.4....)で表示されるが、項と号は0101項や090910号のようにコードとして扱われ、必ず項は4桁、号は6桁で表示されている。6桁の号に加えてさらに3桁の細分番号と1桁のNACCS用番号が各品目に与えられている。前者は本国独自の分類であり何も分類されていない場合は000となっている。さらに001や002のように上がらず、100、110、310、900の表記が多い。後者は0~9と✝で表記され、✝は別表を参照して税番(本試験問題では号に細分番号とNACCS用番号を合わせた10桁で表わされる番号)を特定する。
関税率表の特徴的な表記に“-”、“--”のようなハイフン記号がある。これは分類が次の段階に進んでいる(分類がさらに分岐している)ことを示しているが、“-”が付いてるから項である、号であるというように断定できない。
学習に向けて、活用できるものとして輸出統計品目表もしくは実行関税率表、さらに税関ホームページがある。また、スマートフォン用の“実行関税辞書”、“Dictionary of HSCode and Customs Tariffs”といったアプリが販売されている。参考書に簡単な関税率表が載せられていることがあるが、完全な形のものを見ることを勧める。特に初学者については、実物から学びとれることは多くある。また、参考書に収録されていない品目をチェックすることもできる。大量の語呂合わせを用いて覚える必要があるが、最初は全ての類を覚え、次にそれぞれの類の品目(項)を覚えると学習がはかどる。部は余裕があれば気に留めておく程度で、特徴的なものを除き号の品目は覚えなくよい。市販のものもあるが暗記カードは自分で作ることを勧める。

《通関実務》[編集]

1.輸出入申告書

テクニックとして、インボイスと関税率表に計算式やマーク(印)を書き込むことが挙げられる。例えば、参考書においては税番を品名の下に書くような方法を解説しているが、手間が多く時間の無駄である。関税率表(輸出統計品目表、実行関税率表)の該当する税番にチェック印や丸印などのマーク(印)を記すことを勧める。この方法を使うと、同一税番による品目統合が一目瞭然で分かる。また、間違えた税番を検索していたことが発覚しても関税率表のマークを消すだけであり、参考書の方法のように品名の下に書いた番号をすべて消すのに対し負担が軽くなる。

(回答手順)

(1)20万円の外国為替・換算額を算出
以下の式が成り立つ。()内は加算要素等の按分価格がある場合である。I/Vはインボイスのこと。調整後とは加算後のこと。
20万円の外国為替・換算額=20万円/為替レート(×I/V価格総額/調整後I/V価格総額)
(2)小額合算の候補をチェック
小額合算されそうな品目を先に確認しておくことで、税番検索も容易となる。最終的に申告する品目はは必ず5つであるから、逆算して品目統合の見通しがつく。例えば、税番が決めかねる品目があったとしても、品目統合されることが明らかであれば、税番検索をせずに品目統合して課税価格の計算に進めばよい訳である。
(3)税番検索(別名、品目分類)
最初に関税率表のチェック作業をする。先に全体像を把握することで、すぐに品目の税番を見つけることができるからである。チェックする部分として、①分類表、有れば②類注、輸入の問題ではさらに③関税率である。①分類表のチェック作業においては、項(の品名箇所)を線で囲ったり、線引きで項と号を見分けやすくするなど、分類の構造が分かりやすくするようにする。税番検索では、類注があればその規定に従い、該当する大分類を決定し、その大分類の中で該当する中分類を決定、そして小分類へと、ふるいにかけるように品目を特定する。
他に、税番潰しというテクニックがある。これは、掲示されている①~⑮までの解答候補の税番を関税率表の中に見つけチェックするものである。第45回通関士試験のように関税率表が広範囲に及ぶ場合は有効な手段といえる。また、どうしても類似する分類があり税番が決められない時にも使ってみるとよい。類似する税番の中で、潰しがあった税番は正解の可能性が高い。
(4)品目統合(同一税番、小額合算による)
同一税番による品目統合が、小額合算による品目統合に優先する。そのため、税番検索を先に済ませるという訳である。細かいルールについては、ゼロからの申告書(日本関税協会)を参照のこと。
(5)課税価格算出<輸入申告書の問題>
セクション“第45回通関士試験・通関実務”の中で連続計算について説明したが、計算方法が少し違った連続計算がある。前者が“乗算(じょうさん)型の連続計算”であるのに対し、後者は“除算(じょさん)型の連続計算”と言える。(1)20万円の外国為替・換算額を算出 の公式を見てみると、“乗算型の連続計算”では按分係数が[為替レート×調整後I/V価格総額/I/V価格総額]となり、各品目のI/V価格に按分係数を乗算する。一方、“除算型の連続計算”では按分係数が[I/V価格総額/〔調整後I/V価格総額×為替レート〕]となり、通常の(乗算型)連続計算と対照的な式が成り立つ。
  • “乗算型の連続計算”→換算価格=「各品目のI/V価格」×「按分係数」
  • “除算型の連続計算”→換算価格=「各品目のI/V価格」÷「按分係数」
“除算型の連続計算”の方が“乗算型の連続計算”よりも問題の回答が早くなる。“乗算型の連続計算”では、(1)20万円の外国為替・換算額を算出 において普通に計算し、さらに(5)課税価格算出 において按分係数をメモリーした後、連続計算を始められる。それに対して、“除算型の連続計算”では(1)20万円の外国為替・換算額を算出 において按分係数をメモリーする。そして、(5)課税価格算出 においては、各品目のI/V価格を按分係数で除算するだけである。いまいちイメージしづらいなら実際に問題を解いてみると分かる。
(6)品目の申告順位を決定(算出額の比較)
今後の試験では、異なる品目のもので同一申告価格のものの順位を決定させる問題も出題されると考えられる。対策として、参考書やスクール主催のセミナーで解法を確認することが必要である。

2.計算式

(1)数値表示の書き換え(延滞税や過少申告加算税等、課税価格の計算で使える)
試験問題には、10000000円(1千万円)のように高額で見づらい数値が多用される。こういった場合は、0を3つ、4つ等いくつか省いてみるとよい。0を3つを省くなら、1桁目から百桁目の0を線で塗り潰して見えないようにする。
8.4%のような小数点付きの%表示については、千分の84と見なし計算するといったように見やすいよう変換する。
(2)過少申告加算税と無申告加算税の計算
過少申告加算税と無申告加算税には計算のテクニックがある(加重税額の有無の判別が容易になる)。参考書、セミナーで確認しておくとよい。図を使えば説明できるが、このサイトでは図が描けない模様。
(3)電卓の機能
連続計算で説明した電卓のメモリー機能を使えば、修正申告の計算などは直ぐに回答できる。“M+”の他に“GT”や“→”の機能も調べてみることを勧める。“→”は輸出入申告書にて、計算結果に小数点以下が多く含まれる場合に、“→”ボタンを押すことで小数点以下の数値を見えなくすることができ、回答の見間違いや書き間違いを防止することに役立つ。

3.選択式、択一式

(1)関税暫定措置法施行規則の別表(第9条関係)
この別表では、特恵関税制度の原産地認定基準における“実質的な変更を加える加工・製造”の指定をしている。第45回通関士試験や第44回通関士試験、同年度の模擬試験にも出題されている。詳しく見るには、関税六法(正本版)を参照のこと(平成23年度版の関税六法では798ページから823ページまで)。出題範囲については、参考書やセミナーで確認を要する。
(2)関税率表の注
 

外部リンク[編集]

通関士試験に関連するWEBサイトのリンクを用意した。学習する上で有効活用できるものである。


WTO(世界貿易機構)やWCO(世界税関機構)、その他主要国の税関ホームページのリンクを用意した。本国の税関ホームページと他国における税関のホームページを比較することを勧める。